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2012年3月16日金曜日

震災から一年、アートの力とは


未曾有の被害をもたらした東日本大震災からちょうど一年。復興を支援するために自分に何ができるかを問い返すなかで、アートの関わる人々の中に「アートにできることは何か?」という議論が沸き起こった一年でもありました。皇室の方が被災地を訪問し、避難生活を送る人々に温かな言葉をかけたり、ミュージシャンが歌や音楽で人々を元気づけたりといった場面がメディアに流れるたびに、アートにしか成し得ない支援が見つからず、無力感を覚えないではいられなかったというアーティストやアート関係者も少なくなかったのではないでしょうか。
残念ながら、アートには歌や音楽のような即効性はありません。また、人々の気持ちを癒したり、元気づけたりするようなものばかりではありません。むしろ、津波や原発の恐怖を思い出させたり、大切な人や物を失った喪失感をよみがえらせたりと、逆効果を及ぼすような作品の方が多いかもしれません。
でも、それこそがアートの力ではないかと思うのです。震災の恐怖や喪失感を乗り越えるには、歌や音楽でひと時悲しみを忘れ、気持ちをリセットすることも大切ですが、アートをとおして震災の記憶と向き合い、悲しみや苦しみを感じたり、時には怒りに震えたりする経験が、私たちが自然の一部として生きていることを再認識させ、生きる力につながっていくのではないでしょうか。
来年の夏から秋に開催が予定されている「あいちトリエンナーレ2013」のテーマは「揺れる大地われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」。芸術監督の五十嵐太郎さんはこのテーマについて「日本が大きな試練を迎え、転換を迫られるなかで、このトリエンナーレは(中略)先端的なアートの動向を紹介する第一回の長所を継承しつつも、荒波を越えていくための新機軸や時代性を織り込んでいきます」「当たり前だと思っていた根拠を失い、既成の枠組が変動するとき、自らが踏みしめる大地=アイデンティティがどうなっているかを確認する必要があります」と語っています。「楽しい」「おもしろい」だけではないアートの力を実感させてくれる機会となることを期待したいと思います。

※あいちトリエンナーレ2013の記者発表の模様がUstreamで生放送されます

あいちトリエンナーレ2013記者発表
2012329日(木)16:0017:00
http://www.ustream.tv/channel/aichitriennale-ch1

2011年12月15日木曜日

今回のファン・デ・ナゴヤは4本立て!

「ファン・デ・ナゴヤ美術展2012」が、2012 112日~22日に名古屋市民ギャラリー矢田で開催される。ファン・デ・ナゴヤ美術展は、名古屋市市民文化振興事業積立基金を活用して1998年から続けられている企画コンペティションによる展覧会で、若手の企画者の育成を目的に行われている。審査で選ばれた企画展が名古屋市民ギャラリー矢田全館を使用して行われてきたが、前回から複数企画の開催が可能となり、今回は4企画が選ばれた。

開催されるのは、伊藤正人さんの企画による「緘黙する景色」、文谷有佳里さん企画の「ぶんのせんともものもの~二人の線が出会うはなし~」、近藤佳那子さん、古畑大気、山下誉子さんによる「SPOT/IN/CUBE」、石堀礼子さんが企画する「Plants Architecture」と、学生を含む20代の若手作家中心のラインナップとなった。

「ぶんのせんともものもの」では毎日滞在制作が、「SPOT/IN/CUBE」では公開制作が行われるなど、作品が制作される場面に立ち会えたり、作品が変化していく過程が見られるのも見どころの一つだ。
114日(土)14:00にはアーティスト・トークも予定されている。

■ファン・デ・ナゴヤ美術展2012
会期/2012112日~22日 
   9:3019:00 日曜日~17:00、月曜日休み
会場/名古屋市民ギャラリー矢田 第17展示室

1展示室「緘黙する景色」
参加作家/伊藤正人、河田政樹、丹羽康博、村田仁

2展示室「ぶんのせんともものもの~二人の線が出会うはなし~」
参加作家/宇田もも、文谷有佳里

34展示室「SPOT/IN/CUBE
参加作家/遠藤俊治、近藤佳那子、塚本智也、花木彰太、古畑大気、山下誉子

57展示室「Plants Architecture
参加作家/石堀礼子、伊藤大茂、井藤雄一、加藤良将、茶谷麻里、長谷勇人

2011年9月15日木曜日

アートを求めて出かけよう!~秋のアートイベント特集~

アートを見に行くといえば、まずは美術館やギャラリーが思い浮かぶが、秋はまちなかや商店街で行われるアートイベントが盛りだくさん。古い民家や店舗などのスペースでの展示は、ホワイトキューブと呼ばれる美術館やギャラリーのスペースで見るのとは、ひと味違った作品の魅力を体感させてくれるばかりでなく、まちや地域の自然の魅力を再発見させてくれる。行楽気分で気軽に出かけてみよう。




■きそがわ日和2011 川の家・町の家プロジェクト
旧太田宿の古い町並みにある建物に8人のアーティストが展示する「町の家プロジェクト」のほか、会期中には木曽川河川敷に設置された広さ3畳ほどの川の家に書店や飲食店が入る「川の家プロジェクト」や若手ミュージシャンのライブなども行われる。

会期/2011年9月18日(日)~25日(日)
会場/岐阜県美濃加茂市の旧中山道沿い(町の家プロジェクト)
交通/JR美濃太田駅南口より徒歩約10分(インフォーションセンター)
詳細は→http://kisogawa-biyori.com


■常滑フィールド・トリップ2011
「地域と創造」をテーマとするアートとデザインの展覧会。2008年から行われ、今回が4回目となる。空き家や空き地に設置された作品を巡りながら、やきもの散歩道や細い路地など情緒ある街並みも楽しめる。

会期/2011年10月8日(土)~16日(日)
会場/愛知県常滑市のやきもの散歩道ほか
交通/名鉄常滑駅より南東へ徒歩約5分(インフォメーションセンター)


■秋の小旅行2011
ものづくりのまちとして栄えてきた瀬戸。その商店街を舞台に展開される若手作家によるグループ展。

会期/2011年11月3日(祝)~20日(日)予定
会場/愛知県瀬戸市末広商店街ほか
交通/名鉄尾張瀬戸駅より東へ徒歩約5分(末広商店街)
詳細は→http://little-trip-with-art.jimdo.com/

■旧加藤邸アートプロジェクト2011〈記憶の庭で遊ぶ〉展
明治時代に建てられた国登録有形文化財、旧加藤家住宅で行われる、名古屋芸術大学学生・卒業生による「記憶」をテーマにしたグループ展。

会期/2011年11月5日(土)~13日(日)
会場/国登録有形文化財『旧加藤家住宅』(愛知県北名古屋市六ツ師704-1)
交通/名鉄徳重・名古屋芸大駅より南東へ徒歩約27分