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2011年12月15日木曜日

今回のファン・デ・ナゴヤは4本立て!

「ファン・デ・ナゴヤ美術展2012」が、2012 112日~22日に名古屋市民ギャラリー矢田で開催される。ファン・デ・ナゴヤ美術展は、名古屋市市民文化振興事業積立基金を活用して1998年から続けられている企画コンペティションによる展覧会で、若手の企画者の育成を目的に行われている。審査で選ばれた企画展が名古屋市民ギャラリー矢田全館を使用して行われてきたが、前回から複数企画の開催が可能となり、今回は4企画が選ばれた。

開催されるのは、伊藤正人さんの企画による「緘黙する景色」、文谷有佳里さん企画の「ぶんのせんともものもの~二人の線が出会うはなし~」、近藤佳那子さん、古畑大気、山下誉子さんによる「SPOT/IN/CUBE」、石堀礼子さんが企画する「Plants Architecture」と、学生を含む20代の若手作家中心のラインナップとなった。

「ぶんのせんともものもの」では毎日滞在制作が、「SPOT/IN/CUBE」では公開制作が行われるなど、作品が制作される場面に立ち会えたり、作品が変化していく過程が見られるのも見どころの一つだ。
114日(土)14:00にはアーティスト・トークも予定されている。

■ファン・デ・ナゴヤ美術展2012
会期/2012112日~22日 
   9:3019:00 日曜日~17:00、月曜日休み
会場/名古屋市民ギャラリー矢田 第17展示室

1展示室「緘黙する景色」
参加作家/伊藤正人、河田政樹、丹羽康博、村田仁

2展示室「ぶんのせんともものもの~二人の線が出会うはなし~」
参加作家/宇田もも、文谷有佳里

34展示室「SPOT/IN/CUBE
参加作家/遠藤俊治、近藤佳那子、塚本智也、花木彰太、古畑大気、山下誉子

57展示室「Plants Architecture
参加作家/石堀礼子、伊藤大茂、井藤雄一、加藤良将、茶谷麻里、長谷勇人

2011年9月15日木曜日

アートを求めて出かけよう!~秋のアートイベント特集~

アートを見に行くといえば、まずは美術館やギャラリーが思い浮かぶが、秋はまちなかや商店街で行われるアートイベントが盛りだくさん。古い民家や店舗などのスペースでの展示は、ホワイトキューブと呼ばれる美術館やギャラリーのスペースで見るのとは、ひと味違った作品の魅力を体感させてくれるばかりでなく、まちや地域の自然の魅力を再発見させてくれる。行楽気分で気軽に出かけてみよう。




■きそがわ日和2011 川の家・町の家プロジェクト
旧太田宿の古い町並みにある建物に8人のアーティストが展示する「町の家プロジェクト」のほか、会期中には木曽川河川敷に設置された広さ3畳ほどの川の家に書店や飲食店が入る「川の家プロジェクト」や若手ミュージシャンのライブなども行われる。

会期/2011年9月18日(日)~25日(日)
会場/岐阜県美濃加茂市の旧中山道沿い(町の家プロジェクト)
交通/JR美濃太田駅南口より徒歩約10分(インフォーションセンター)
詳細は→http://kisogawa-biyori.com


■常滑フィールド・トリップ2011
「地域と創造」をテーマとするアートとデザインの展覧会。2008年から行われ、今回が4回目となる。空き家や空き地に設置された作品を巡りながら、やきもの散歩道や細い路地など情緒ある街並みも楽しめる。

会期/2011年10月8日(土)~16日(日)
会場/愛知県常滑市のやきもの散歩道ほか
交通/名鉄常滑駅より南東へ徒歩約5分(インフォメーションセンター)


■秋の小旅行2011
ものづくりのまちとして栄えてきた瀬戸。その商店街を舞台に展開される若手作家によるグループ展。

会期/2011年11月3日(祝)~20日(日)予定
会場/愛知県瀬戸市末広商店街ほか
交通/名鉄尾張瀬戸駅より東へ徒歩約5分(末広商店街)
詳細は→http://little-trip-with-art.jimdo.com/

■旧加藤邸アートプロジェクト2011〈記憶の庭で遊ぶ〉展
明治時代に建てられた国登録有形文化財、旧加藤家住宅で行われる、名古屋芸術大学学生・卒業生による「記憶」をテーマにしたグループ展。

会期/2011年11月5日(土)~13日(日)
会場/国登録有形文化財『旧加藤家住宅』(愛知県北名古屋市六ツ師704-1)
交通/名鉄徳重・名古屋芸大駅より南東へ徒歩約27分


2011年6月15日水曜日

【One Day Cafe】が盛況


あいちトリエンナーレ2010で展示会場やATカフェとして使われてた長者町の万勝S館で、一日限定のアートイベントが4月から開催されている。

【One Day Cafe】というこのイベントは、昨年のトリエンナーレで広がった人々のアートへの興味関心を、2013年のあいちトリエンナーレに向けて持続させていこうとするもの。4月23日には石田尚志、辻直之、大山慶のアニメーション作品上映、平川祐樹による映像インスタレーション、猪狩雅則と愛知県立芸術大学学生・卒業生の作品展示、5月28日にはオリヴァー・へリングの映像作品上映、水野勝規による映像インスタレーション、名古屋芸術大学学生・卒業生から成るMark meets 3.の作品展示が2~4階スペースで行われた。また、1階ではカフェと併せて「LOVEちくんをつくろう」といったワークショップ、地階では長者町まちなかアート発展計画や大ナゴヤ大学など東海エリアで活動する団体によるプレゼンテーションや、パフォーマンスやライブで盛り上がり、第1回目は306人、第2回目は264人を動員した。

次回は6月25日(土)13:00からで、さわひらきの映像作品上映や、渡辺英司提案による若手アーティストのグループ展が予定されている。見るだけでなく、参加して楽しめる企画も盛りだくさんなので、さまざまなアートを体感してみては。

■次回スケジュール
日時/2011年6月25日(土) 13:00~21:00
場所/万勝S館(名古屋市中区錦2-10-30)

■プログラム
4F:エキシビションスペース
映像作品展示:さわひらき

3F:エキシビションスペース
作品展示:森田浩彰

2F:エキシビションスペース
「上の空」展 "Space Out" 
展覧会提案:渡辺英司
出品作家:川見俊、加藤優一、小林真依、榊原由依、竹田尚史、小川健一、荒川朋子、小杉滋樹、タン・ルイ、木村充伯、中嶌佳秀、武田晋一、中村浩一郎、山田七菜子、中村航、西野正将、小栗沙弥子、前川祐一郎、今村文、堀田直輝、奥村梨沙、田島圭、福田良亮

1F:カフェ
ワークショップスペース
「はんだアクセサリーを作る会 長者町バージョン」(参加費:無料)
企画:秋葉原ネットワーク×長者町まちなかアート発展計画
                   
B1F:イベントスペース
14:00-16:00 プレゼンテーションタイム
       ART NAGOYA 2011、ゼロワン、ハッカーズラボ「node」、clas、真夏の長者町大縁会、日本のへそ演劇祭、トリプラ
あいち、佐久島弘法プロジェクト3(学生チャレンジ企画大学対抗リノベーション大会)
16:30-18:00 パフォーマンスタイム
      名古屋出身、在住の若手パフォーマーたちによるダンス!
      太めパフォーマンス、魂宮時、アフターイマージュ
18:30-20:30 ライブタイム
      山田亮、平尾義之、葉っぱの裏側シスターズほか
http://atsc2010.com/wordpressjp/
http://aichitriennale.jp/news/one-day-cafe-3.html

2011年3月14日月曜日

アートにできること、アートにしかできないこと


3月11日の午後、東北から関東を襲った東日本大震災。地震発生直後から、速報番組では津波にのまれる海辺の街や瓦礫の山と化した集落が映し出され、ツイッターにも被害を伝えるつぶやきが氾濫しています。終日テレビの凄惨な映像を見ていると、奇妙な緊張感に襲われ、自分も被災したような悲しい気持ちでいっぱいになります。

被災地の方たちの痛みを理解するのは大切ですが、被災しなかった私たちが心的被災者になっている場合ではありません。私たちは、被災した方々を支援できるよう元気でいなければと思います。

大手スーパー、コンビニエンスストアによる食糧や飲料水の提供、募金の受付をはじめ、ツイッターではシーチキンランプや携帯トイレの作り方といったサバイバル術や、医療相談を受け付けてくれる医師のリスト、外国人向けの情報提供窓口までさまざまな支援が寄せられる中、アートには何ができるのかずっと考えていました。
そんな12日の夜半に見つけた、名古屋市中区のギャラリー、INTROARTのツイート。

【INTROARTIST作品で届けます】フリッカーSET こちらでも閲覧可能!皆様夜間大変だと思います。不安だと思います。がんばって!http://www.flickr.com/photos/introart/sets/72157626248482102/

サイトには81点のドローイングや写真作品がアーティストのメッセージと共に掲載されていました(3月14日現在116点)。発信されたINTROARTの浜崎共子さんは、ギャラリーにゆかりのあるアーティストに「ニュースを見ているだけではなくて、何かできることからしましょう。ドローイングでも何でもいいです!被災者への、また現地でがんばっている人への激励の作品を送信してください!」と呼びかけたのだそう。

アートで被災地の方々の空腹感や寒さが紛れるわけではありません。とはいえ、住む場所や家族をなくした喪失感や、いつ日常生活に戻れるかわからない不安感を少しでも和らげることはできるのではないでしょうか。また、ニュース映像や被害情報によって心的ストレス症候群の予備軍となっている多くの人々の気持ちもほぐしてくれると思います。

ほかにも「節電ポスター」(http://setsuden.tumblr.com/)など、節電を啓蒙しながら被災地の方に温かな気持ちを届ける、グラフィックデザイナーならではの仕事も発見。募金をするのも大切ですが、お金には代えられない、アートにしかできない支援を考えていけたらと思います。
(3月13日、文責/田中由紀子)