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2009年9月15日火曜日

プレイベントが好評! あいちトリエンナーレ


愛知県美術館と名古屋市美術館で開催中(愛知県美術館~10月25日、名古屋市美術館~10月18日)の、あいちトリエンナーレ2010プレイベント「放課後のはらっぱ 櫃田伸也とその教え子たち」展の関連イベント「放課後のはらっぱ大座談会」が8月28日に開催され、定員150名を大幅に超える約250名が会場に詰めかけ、盛り上がりを見せた。

現在は名古屋造形大学客員教授を務める櫃田さんは、1975年から26年間、愛知県立芸術大学で勤務し、かつての教え子からは奈良美智さんをはじめ多くのアーティストが輩出している。

座談会には櫃田さんら出品作家19名が参加。櫃田さんと設楽知昭さんのトークを皮切りに、出品作家が世代別に3グループに分かれ、在学当時のエピソードを語った。なかでも、約20年前の長久手周辺は交通の便が悪く、まだ携帯電話も普及していなかった当時はなかなか情報が入ってこないため、仲間の下宿に集まっては遅くまでアートの話をしていたという、奈良美智さんや杉戸洋さんら世代のエピソードは印象に残った。また、佐藤克久さんを中心に安藤正子さん、加藤美佳さんらで「バッタどうふ」というグループを結成し、絵画の枠にとらわれない実験的な作品を制作していたという話も興味深かった。

作家や作品の選定、展示に奈良さん、杉戸さん、森北さんの3名が深く関わったというこの展覧会。櫃田さんの作品と教え子の作品が並べて展示されたり、櫃田さんのアトリエが再現されていたり、奈良さんらの学生時代の作品が展示されていたりと、櫃田さんと教え子が作品をとおしてキャッチボールをしているかのような展覧会に仕上がっている。「はらっぱ一日カフェ」、ワークショップ「放課後のはらっぱの放課後」、「幻灯会」など関連イベントも目白押しだ。

あいちトリエンナーレのプレイベントは、パフォーマンスを中心とした「うしろの正面―アーティストたちの誠実な遊戯」(愛知芸術文化センター各所、~9月23日)に続き、名古屋市中区錦の長者町繊維街で展開される「長者町プロジェクト2009」が10月10日~11月15日に開催。「後ろの正面―アーティストたちの誠実な遊戯」には松岡徹さん、「長者町プロジェクト2009」には青田真也さん、石田達郎さん、川見俊さん、斉と公平太さん、山本高之さんと、愛知ゆかりの若手作家が参加している。

8月21日の記者発表で、小金沢健人さん、シプリアン・ガイヤールさん、ハンス・オプ・デ・ビークさん、宮永愛子さん、志賀理江子さん、フィロス・マフムードさん、梅田宏明さん、トーチカ、KOSUGE1-16、淺井裕介さん、斉と公平太さんの12組の参加アーティストが新たに発表されたあいちトリエンナーレ。若手作家のトリエンナーレへの参加の機会提供を目的に、愛知芸術文化センターアートスペースと長者町エリアで開催される企画コンペによる公募展の募集も始まった(募集期間は、愛知芸術文化センター~11月30日、長者町2010年1月~2月予定)。開幕まで1年を切ったトリエンナーレの動向にますます注目したい。

※あいちトリエンナーレ公式ウェブサイト→http://aichitriennale.jp/index.php